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9月12日
退院当日
といいながら、たまりにたまった本雑誌類をはじめ、片付けをしなければならないという嬉しいノルマが今朝は課せられている。
そして外が十分明るくなった頃あいを見計らい、なるべく音を立てないように作業を開始。
そうこうしているうちに8時、朝食。
9時を過ぎると嫁が来てくれる約束。
遅くとも10時には退出しないと。
いつもと違った慌ただしい朝の時間。
…そして全ての作業を終え、書類や薬を受け取り、長かった入院生活に別れを告げる時がやってきた。
ナースステーションにてリストバンドを外してもらって皆さんに挨拶。
たくさんの荷物を引きずってエレベーターに乗り込む。
「やっと家に帰れる」
早くも実感がふつふつと湧き上がってきた。
建物をでた途端、微妙な地面の傾斜に足がフラついた。
長期入院とプレドニンのせいでかなり足が弱っていることをあらためて実感。
帰りの運転はさすがに嫁にまかせた。
…そして、52日ぶりの我が家に到着。
なんとも言えず感慨深い。
周りの人に気がねすることもなく、自由に動き回れる、というか動き回れる場所がある(苦笑)
階段の昇り降りに足がついて行かない。
といいつつ、久々の運転でスーパーに買い物、子供を迎えに学童保育と保育園に。
家族と一緒の我が家が一番。
いつもの、あたりまえの日常がどれだけ幸せなんだ、ということをひしひしと感じる。
そして夜10時。
病院での就寝時間に合わせて寝る。
いつものように夜中に目が覚めて朝までiPhone…は変わりなく。
しばらく自宅療養で気楽なもんだが、食事や生活リズム等々今までとは違って気を遣わないと。
もう入院はこりごり。
病院には戻りたくない…。
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9月11日
退院前日。
朝の採尿。
手渡す時、看護師さんが
「運命の検尿…笑」といたづらっぽく。
今朝の採血と尿の結果が良ければ晴れて退院の運び。
だから、まだ手放しでは喜べない。
落ち着かない。
といいながらも診断書の申請等々、退院に際しての事務手続きを。
14:30
看護師さんが療養計画書と次回外来予約票を持ってきてくれる。
やったぁ〜退院確定!
退院後の薬も受け取る。
来週からプレドニン6錠に減量。
担当医の先生が来てくれた。
ちょうど明日から遅い夏休みらしい。
いいタイミングでよかった。
いよいよ明日「社会復帰」。
記録的な猛暑も既に過ぎさった様子。
体重は66.4kg。
入院後も浮腫みが進行し、ピーク時89kgまでになった体重が今では標準体重までダウン。
大根足がほっそりとしたのはいいが、
筋肉も落ちてすっかりひ弱になってしまった。
しばらく自宅療養するつもりだが、確かにこんな様子では働くどころではないな。
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9月9日
週が明けていよいよ退院4日前。
今日からプレドニンが6錠に。
退院できる規定量にようやく到達。
退院後の通院治療、自宅療養後の会社復帰時期等々…
必要なことは全部診断書に書いてもらうことにした。
iPadで映画レンタルしたら、ある時から通信速度が大幅ダウン…
どうやら7GB制限に引っ掛かったようだ。
オーディオリファイン計画。
メインテーマはPCオーディオ導入。
機器はすでに揃っている。
あとは退院後に決戦…
もとい結線あるのみ(苦笑)
退院後の食事。
イメージはできあがった。
これも実行あるのみ。
まずは病院献立の再現からトライ。
サザン復活ライブ。
子供を親に預けて嫁と仙台にいくつもりではあったが流石に退院後すぐはやはりマズい。
ということで四年生の長男に行かせることにした。
母親との二人旅行で何か得るものがあるはず。
もちろん初めてのビッグアーティスト野外生ライブ体験も。
航空券や宿泊について、全て時間の有り余っているお父さんが手配。(苦笑)
さあ、気持ちはもう退院後の生活へ。
退院前日の検査で問題無ければ、という条件付きだが(苦笑)
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9月6日
きょうは金曜日。
退院予定日は12日木曜日。
直前の検査で問題なければ、の条件付きだが、いよいよ家に帰れる。
まずは週明け月曜の検査で問題無くプレドニンを6錠に減らさないと…。
規定では、6錠が退院できる目安らしい。
今朝は退院後の栄養相談。
嫁と母親の三人でのぞんだ。
塩分一日6グラムまで。
もちろんタンパク質も制限があるが、気になるアルコールは少しならOKとのことでまずはひと安心。
タンパク質について先生はそんなに気にしなくても良いと言ってたが度合いがわからない。
病院食をベースにすればいいとは思うが、会社の食堂や外食時は悩ましいところ。
退院も決まり、足の浮腫みも無くなって、進学が決まった受験生の春休みのような心境だ。
頭の中は、帰宅してからのオーディオ模様替え計画と栄養コントロール食の勉強でいっぱい。
妄想やアイデア、調べたことをノートにいろいろ記したり、読んでいない本を飛ばし読みしたり、チェックしたテレビ番組を観たり…流石に退屈になってきた。
プレドニンの影響か、深夜排尿で起きたあとなかなか寝付けず、スマホをみながら朝まで過ごすのがけっこうつらい。
ただ、夕食のあと消灯22時までの間に眠気が襲ってくるようになってきた。
今迄は消灯時間になっても眠たくなかったのに…。
退院が決まり安心したことが大きいのかな。
とにかくこの週末を越えれば、退院直前。
長かったな、50日超の入院生活。
病気になってしまったことは残念だが大事に至らなくて良かった。
感謝。
相変わらずドンぶってます!
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9月2日
ここに居ると実感は出来ないが、連日の猛暑もほんの少し落ち着いた様子。
プレドニンも35mg7錠に減った。
退院可能な規定の6錠までもう少し。
直前の採血採尿検査次第ではあるが、一応10日後には退院予定が決まっている。
先の見えない入院当初から数えて40日あまり。やっとここまで来たといった感じ。
足の浮腫みがとれて、すっきりと細い足に生まれ変わった。
同時に筋肉も無くなって、かなりひ弱な外観になってしまった。
体重はまだ少しずつではあるが、減少が続いている。
退院予定が決まってから、帰宅後の食事や趣味のオーディオ、楽器のことばかり考えている。
ここ最近はAmazonやヤフオクで連夜のクリック。
届いた品物で自宅のオーディオルーム(と呼んでいるちっちゃな道楽部屋)がすごいことになっていると、嫁に半ば怒り調子で訴えられた(^◇^;)
市場で急激な盛り上がりを見せているハイレゾ音源やPCオーディオ、ネットワークオーディオに興味がわき、手習い用の書籍雑誌類や、帰宅後に素早く実行に移すための機器類等々をポチッとしているうちに確かにかなりの散財をしてしまっている様子…(;^_^A
とはいえオーディオルームの模様替えなど妄想はさらに大きく膨らむばかり。
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8月18日
体重増加も峠を越えた前回から10日余り経った今日。
順調に体重が減り続けてピーク時の88.0kgからはや76.5kgに。
入院前の平常値をすでに1キロほど割り込んだ。
とはいえ標準体重は65kg台なので健康体重とは言えないが…。
このままどこまで減るのか楽しみがひとつ増えた。
毎日の尿量も増えに増えて、昨日は一日で3リットルもでた。
話題はかわるが、ちょっとした環境の変化があった。
4日前、すぐ隣ではあるが、窓際のベッドに移った。
隣の人が退院した後に看護師さんから移りますかと言われて最初は断ったが、次の日も運良く丸1日空いていた間にいろいろ考えてやっぱり移ることにした。
今までの、カーテンだけで柔らかく包まれたノイズレスな空間はほぼ寝たきりの生活には心地よいものだったが、ずいぶん体調も良くなり、立ったり座ったり自由がきくようになった今、さすがに単調で退屈な空間に感じてきた。
外の風景、1日の自然の移り変わり…何よりも空を眺めたくなった。
建物に遮られて直接は見えないが、遠くの山のふもとには我が家のある住宅地が広がっているのも微かに見える。
身体や心境の変化もあり、このへんで気分転換や環境変化をはかるのに、今がちょうどいいタイミングだと思った。
プレドニンの作用か、心なしか視力が低下しているような気がすることも理由の一つではある。
新しい人がはいってきて移るタイミングを逸してしまうのも辛い。
移って後悔したらどうしよう…ともおもいつつ、結果としては本当に良かった。
一歩も二歩も外(退院)に近づいたような気がする。
朝昼晩、時間や天候によって刻々と変化する空や景色…
しっかり空調管理されたクリーンルームであるここにいると実感出来ない「猛暑」をほんの少し伺い知れる窓からのかすかな熱線もむしろ心地よい。
足の浮腫みは相変わらずだが、少しずつ改善はしているようだ。